好きなやつに幸せになって欲しいと思うのは当然だろ?


でも俺は、弱くて、まだまだガキだから、修行が必要だった。


だから、百合を自由にした。


この答えが間違っていたとしても、俺は百合を好きでいる自信があった。


突然、さっきまで吹いていた風が止んだ。


『光輝は…それでいいの?』

ポロポロ溢れる美しい水滴が、地上に落ち、染み込んでいく。


俺はそれを受け止めれず、何も出来ないでいた。



『俺、もっともっとかっこよくなりてぇから…
いいんだ。百合…さよなら…』


百合の顔をちゃんと見て、俺は《さよなら》を告げた。


百合は、小刻に肩を震わせながら、秘密の場所から去って行った。



今度会うのは、二年後─…

それまで百合を好きでいよう。

出来るはずだ。


だが、俺にはまだ試練が残されていた。



この日から二日後─…


百合はこの街から姿を消した─………