―百合色―

俺は温もりを探し、
冷える手をポケットの中に入れた。


『くしゅ…』


鼻をすすりながら、
秘密の場所へと行く。



途中、住宅街を通る。


その中の一軒の家に俺は目が止まった。


その家は、キラキラとしていた。


庭にある木が、クリスマスツリーになっていたり、
玄関にはスノーマンが笑っている。


目が、一気に輝く。


笑わなければ…

百合を不安にさせるな。


自分でも分かる。

俺は重い。


百合をもっと自由にしてあげなければ…



もうすぐで秘密の場所へと到着する。


近付くにつれ、緊張が増す。


俺は坂道をのぼっていく、
あの桜の木とベンチが見えるまで。


二つが見え始めると、
百合の姿も見えた。