早く出なきゃ…

タクミからの電話に…


出なきゃ…


『も…しもし?』



『やっと出た!!』


タクミの声はかなり焦った声だった。


『何だよ、こんな朝っぱらから』



『百合が退院した!』



『まっ…まじ?!』


あの流れ星は、

俺の願いだったのかな。


あの時、俺が願った…

願いが、星となり、
願いが叶う頃に流れ星となって流れた。


俺の目の前で、この夜空を流れた。


『百合っ…』



俺は駆けた。

百合の元へと─…


張り裂けそうなこの想いを堪えて、俺は確かめに行く。


一歩一歩、進んでいく、


一歩一歩近付いていく。


百合の笑顔まで─…



あと少し。