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「恭汰ー。バイト行ってくる。」
秋本さんは夜そう言って出ていく。
だけど、この頃秋本さんに対して妙な疑問が生まれた。
恩人を疑ってはいけないと思う。
それにましてや俺にとって秋本さんは兄貴のような存在だった。
憧れだった。
だからこそ微塵の疑いも感じたくはなかった。
だけど、その疑いが最近確信に変わりそうだった。
3日前。
秋本さん宛に届いた手紙。
真っ白な封筒に差出人のところには「D.G」とだけ書いてあった。
住所が書いていなければなにもない。
ただ「D.G」とだけ書いてある。


