「秋本さんにはそれからずっと世話して貰っていた。」
「へぇ・・。」
オレンジジュースを飲みながらヒナが頷いた。
さほど話しに食いつきもしないが静かに聞いていたヒナ。
まぁ、質問責めにされるよりはマシだ。
「なんで私にそんなこと話すの?」
「さぁな。」
そっけなく答えた。
「さぁな。」その一言で片づけたその質問。
俺だってどうして話したかわからねぇんだ。
だけど。
なんとなく。
なんとなくだけど、
コイツには話しておきたい気がした。
コイツに話して何か変わる訳ではないと思う。
だけど話しておきたい気がしたから話した。
ただ、それだけ。
なんとなく、ヒナと俺が似ているような気がしたから話したのかも知れない。
どこが似ていると聞けば「さぁな。」と答えるだろう。
俺にだって詳しくはわからないからな。


