「お帰りなさい!」
観覧車の係員の人に迎えられ降りるともう外は暗くなっていた。
どうやらパレードも終わったらしい。
出口へと歩く家族連れやカップル、友達グループが私たちの前を通り過ぎていった。
「俺達も帰るか。」
「そうだね。」
なんて、人混みの中に紛れる。
あまりの人の多さに押しつぶされてしまいそうになる。
恭汰は?
ふと隣を見ればいるはずの恭汰の姿はなかった。
「恭汰!?」
驚いて声を上げても恭汰の返事はない。
急に孤独感が込み上げてきた。
「恭汰!恭汰!?」
返事して!
独りにしないで・・!
恭汰ッッ・・・!!!
パシッ!
「ヒナ!」
「恭汰!」
恭汰が少し青ざめた顔で私の手を掴んでいた。


