「馬鹿が。俺はお前に“生きたい”と思わせるためにやってんだぞ。」 「お前が楽しまなきゃ俺はいつまでたっても殺せねぇじゃねぇか。」 少し納得できるようなできないような。 できればもうちょっと優しい言葉がよかったよ。 「つうか、乗るぞ。時間ねぇ。」 強く引っ張られた手。 その手が大きかったことに今気づいた。 暖かかったことも、今気づいた。 死神のくせに生きている温もりを持っていることに今、気づいた。