音楽と共に回り始めるメリーゴーランド。
小さい子ばかりが乗っている中で恭汰は1人満面の笑顔。
恥ずかしいったらありゃしない。
「恭汰・・もうちょっと落ち着こうよ。」
「せっかく来たってのに満喫しねぇと勿体ないだろ。」
「や、まぁそうだけど・・。」
メリーゴーランドが止まった瞬間逃げるように降りる私を不思議そうに追いかけてくる恭汰。
「何、逃げてんの?」
「逃げてなんかないよ。」
「あっそ。」
「時間が!」なんて叫ぶ恭汰。
確かに、外を見れば少し日が傾いていた。
「最後にアレ乗るぞ!」
“アレ”って?
私は意味も分からず恭汰に引っ張られるままだった。


