「ぎぃやぁぁ!!」
「あははは!!」
絶叫する私と笑う彼。
最悪だ!
声がかれるまで叫び続けた。
「はぁはぁ・・・死ぬかと思った・・。」
「すっきりしたか?」
そういえば・・。
いっぱい叫んだからか、少し気は落ち着いたような・・。
「うん・・ちょっとだけ。」
「そうか。」
「まだ殺しはしない。」と彼は次の乗り物へ私を引っ張る。
「ねぇ、貴方どういうつもり?」
「何が?」
「私を殺すんでしょ?どうして?」
「お前を生きたいと思わせてから殺すっつったろ。それと“貴方”はやめろ。くすぐったい。」
「じゃぁなんて?」
「“恭汰”でいいだろ。」
一瞬ドキッとした。
え?
まさか。
私に限ってそんなことない。
絶対にない。
「ヒナ!行くぞ!」
「ヒナ!?」
「お前の名前だろ!“陽菜乃”だから、“ヒナ”!」
笑顔で言う恭汰。
どうしてだろう、嫌ではなかった。


