カナちゃんが死んで、あの噂が立った頃からか、孝司はあまり他人と話さなくなった。

告白してくる女子は、皆振っていた。噂というのは怖いもので、孝司は『他人に興味を持たない』という冷たい能面を被った奴になっていった。

しつこい女子だっていたし、付き纏うような奴も居た。孝司曰く、『適当にヤって棄てた』。

…―彼はどのくらい、愛も好意も無いセックスをしたんだろうか。


「中学の頃好きだった幼馴染が、忘れられないんだってさ。諦めたほうが良いと思う」

適当な嘘。嘘嘘嘘。重ねていく。塗り重ねていく。