もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。




「………なんか違くない?」

「何が」

「月ちゃんは………慧斗が好きなんでしょ」


普通喜ぶとこでしょ、と言うと、月ちゃんは何か吹っ切れたような顔をした。


「………負けたわ」

「?」

「あんたによ。あたしは……慧斗にあんな表情はさせられない。」


焦った表情。優しい表情。
今まで一度も見たこと無かった表情を見せた慧斗。


「あんた達の間には入る隙間すらないわ」


はぁ、と溜め息。
だから、と月は続ける。


「あたしは、諦めるわ」


眉を下げて諦めたと悲しい顔をする月にこちらが悲しくなる。