「………あたし、逃げないよ」

「は?」

「逃げるの嫌いなんだ」


ニコッと笑えば、月は一瞬目を見開くけど、すぐに怒気を含みながらあたしを睨む。


「あんたの好き嫌いなんか今は関係ないでしょ」


あんたバカじゃないの、殴られたりするのに。


あたしは、どうせバカ。
だってさ、5人の男に月一人置いて逃げるなんてあたしには出来ない。、


たとえ喧嘩出来なくても。


「話し合いは終わったー?」

「っ」


指を絡め関節の音を鳴らしながら男は笑う。


やる気満々だ。


チッと月が舌打ちした。


あたしは、少し体を動かして月と背中合わせになる。


「んじゃ、始めましょー」


ニヤリと男達が勝ち誇ったような笑みを浮かべた。