やっぱり………


あたしは、溜め息をついた。


「困ったな………」


ポツリと小さく呟く。
あたし、喧嘩出来ないのに。
これでまた慧斗に怒られるのかなぁ?


「………倉庫まで走っていける?」


ぼそりと月が小さな声で言ってきた。


倉庫までは、ちょっと距離はあるけれど走れない距離じゃない。
あれ?どうして黒龍の倉庫の近くなのに敵がいるんだろ?


色々思うことはあるけれど優先順位はそれじゃない。


「あたしが、奴らに突っ込むから、隙見つけて逃げて」

「………君は?」

「これは、あたしの喧嘩だから」


いいわね、と言われたけれど、