おばさんが不安そうに気遣ってくれる・・・。


「わ、私・・・」


涙が止まらない。でも3人は優しく待ってくれている。


「わ、私・・・ッヒック・・・う、嬉・・・しい!!・・・ヒックヒック・・・ッ嬉しいです!!」


泣きながら、嗚咽混じりに私は答えた。『嬉しい』と。


おじさんとおばさんはそれを聞いて1番の笑顔を見せてくれた。


「有り難う。牧野さん、どうかな?君は反対かい?」


今まで黙っていた牧野さんは口を開く。


「旦那様、奥様。私は異存ありません。沙夜さんがそう思うのなら、私は異存ございません」


はっきりとそう言ってくれた。


「沙夜さん。沙夜さんは施設育ちのように思えない程、素晴らしく立派です。辛かったでしょう。苦しかったでしょう。私も沙夜さんの味方です」


そう言って牧野さんは笑ってくれた。


「ありがとうございます牧野さん!!これから、宜しくお願いします!!」


私は立ち上がって私3人に頭を下げた。


「こちらこそ。宜しくね」

「うん。じゃぁ早速手続きをしてこよう。沙夜行こう。お前はどうする?」


おじさん・・・お父さんは私を見てそう行った後、お母さんを見た。


「私も行くわ。準備してくるわね。序でに沙夜ちゃんにお洋服買いましょう」


洋服!!
私は節約の為にお古の服ばかりだったから、新品の服は初めてだ。


「わぁ!!嬉しい!!!!ありがとう。お母さん!!」

「では、旦那様、奥様、沙夜様。後はおまかせ下さいませ」

「頼みますね」


お母さんが頭を下げた。


「夜は食べにいこう。牧野さんも夕食は良いからね。」

「はい。ありがとうございます」

お母さんの準備を待ってから、私達は出かけた。


お父さんとお母さんは、一瞬にして明るくなって、生き生きとした表情を見せてくれた。