「凄い・・・・・・・・・」

その虹は凄く綺麗で輝いていた。この都会の町で綺麗なものを見れて、本当に良かったと思う。

「・・・・・・すげぇな。」

郁人も感動している。優はもう言葉も出ないのか、目を見開いて虹を見つめている。

「うん。」

瞬きをして虹を見ると、そこにはなにも無かった。ただ黄色っぽい青空が浮かぶだけだ。

「あれ?」

「ん?・・・消えた。いつの間に消えたんだろ・・・・・・。」

疑問に思いながら後片付けの為に、会場に戻った。


不思議なことに二重の虹は私達3人以外の人は何も見えてなかったようで、その事を話すと皆が首を傾げたのだ。

(変なの〜。)

片付けが終わってから、私は1人街を一望出来る展望台まで行く。ルリも誰も知らない、私だけの穴場。


展望台と言っても、本当はただの公園で、皆から忘れ去られた様に今では遊びに来る人もいない公園だ。



もしかしたらルリの最後の奇跡なのだろうか・・・?


坂を登りながら、私は二重の虹が私達3人しか見てなかった事について考えていた。



虹の大好きなルリが私達に見せようとした、最後の奇跡なのだろうか・・・・・・・・。



ルリが死んだ今、確かめる事は出来ない。



だけれども、私はそう思っている。



だから・・・・・・・・・・・・

「私ルリが居なくても泣かないよ。」

大丈夫。


だってルリは何時でも私の事を見守っていてくれるでしょう?


だから、私は大丈夫。



ずっとずぅっと大好きだよ。
私の親友。