おじさんはそう言うと、大きく笑った。おばさんも隣でニコニコ笑っている。


私はこんな優しい両親がいるルリが羨ましい。


私が施設育ちだと知っても、ルリの両親は嫌な顔も同情もしなかった。


ただ一言


「今まで、よく頑張ってきたね。偉いよ」


と褒めてくれた。
それが嬉しくて、私は思い切り泣き付いたこともある。


ルリもおばさんもおじさんも、笑って受け入れてくれた。今でも鮮明に覚えている。


それからずっとおじさんとおばさんは、私の事を何かと気に掛けてくれて


困った時に助けてくれる。感謝してもしきれない。


「でも、おかげで助かったのは事実ですから。ありがとうございます」


私はもう一度おじさんとおばさんに、頭を下げた。


「もう、そんな事気にしないで!沙夜ちゃんのこと、私達は瑠璃ちゃんと同じように娘の様に思っているのよ」

「うん。僕達の娘同然に思っているからね」


嬉しい・・・私の両親が居たら、こんな暖かな両親が良かった。


でも、両親は私を棄てた。だからこんな暖かな両親では無いのだろうと思う。


それが無かったら、私も家族に囲まれて幸せに暮らして居たのだろうと思うけれど


そしたらきっとルリに会う事も無かったと思う。だから棄てた親を恨んでいる事も無い。


ルリに会えたこの運命を、嬉しく思っているのだから。