私もルリとの他愛無い話で盛り上がるこの時間が凄く幸せだ。


「それで、ちょっと話を戻すけれど、雨が降った後窓を見たの。そしたら綺麗な虹が見えたの!!」

「虹が!?珍しいね。私気付かなかった」

「でしょう。こんな都会で本当に綺麗だった!!」

「ルリも綺麗な虹が見れた、なんて運が良いね」

「きっと大きな虹だった筈。ビルのおかげで、一部しか見れなかったのが残念よ」


大袈裟に残念がる。


「デジカメで撮れば良かったじゃない?一部だけでも、現像すれば何時でも見れるじゃん」

「・・・あ。サヤ私、そんな事すっかり忘れてた。あ〜もうショック!!早くに気付いていれば良かった!!」

「じゃぁ、またの機会にね。でもルリ本当に虹が好きだよね」

「虹って、元気もらえるでしょう。あまり見ることが無い珍しいうえに、7色の色があるの不思議な感じでしょ。だから好きなのよ」


ルリの言う事も分からなくは無い。


虹かぁ・・・
私が虹を見たのは、何時だろうか・・・。


覚えてない。
この都会のど真ん中でも、ルリの言うそんな綺麗な虹が見ることが出来るのだろうか。


ルリは本当に虹に感動したらしい。今日の面会時間ギリギリまで、ずっとその話だった。


虹が大好きなルリにとって、その虹は本当に素敵だったのだろう。