《カチャ…》
「くる…」
「やあ、透?」
「ヒッ…!!」
「お邪魔するよ?」
東條さんは勝ち誇ったような顔をして、私の手を引っ張りながらズカズカと部屋に入り込んだ。
「ちょっ、東條さん!!」
「黙っててくれ」
黙っててくれって…、私はどうしたらいいの?!
「なんで?!なんで黙って家に入ってくるの?!」
「…ごめん、透。」
「鷹島なら出てくるのに、なんで俺の時は出て来ないんだよ」
「それは…」
「お前が何か隠してることくらい分かっているんだよ」
「…言えない」
「俺に言えないだと?」
東條さんと透が言い合っている中で、私はただ黙って聞いていた。
