だめ…、東條さんは透の恋人なの。 大切な透の恋人。 だから、私は…! 「…離してっ!!」 私は東條さんの暖かな手の平から逃げた。 「何故俺を否定するんだ」 「だって、あなたは…」 友達の恋人で私の上司だから。 「東條さんは上司です、…それに彼女がいるなら私にキスしたりしないで下さい!!」 「…は?」 「私にキスしたりしないで下さい!!あなたのせいで私が…」 そのとき、東條さんが私を抱き締めた。 柔らかい何かを包み込むように。