「お前誘ってんのか?」 「さ、誘う?!」 どこが誘ってんのよ!! 「涙目でこっち見るな」 「だって…」 「口答えするな」 「意味がっ…」 反論する前に口を塞がれた。 東條さんに初めてキスされた時と一緒だ。 「お前の唇りんごの味するな」 「もう私にキスしないで下さい!!」 「嫌ならもっと抵抗すれば?」 そう言われると同時にエレベーターの扉が開いた。 「東條さん、お疲れ様ですぅ~!」 「お疲れ様」 さっきと打って変わった東條さんの態度。 この人は俳優にでもなれそうだ。