子どもの頃、かくれんぼをしたら、絶対に鬼にはなりたくなかった。

目を閉じて、次に開いたときには友達が誰もいない。

みんな、どこかで私を笑っている気がした。

実は、私をおいて、どこかに行ってしまったんではないかと、常に不安に駆られた。
そうしたがっているのではないかと、本気で不安になり、私は必死になって探した。


もちろん、みんな上手に隠れていただけで、私に見つかると驚いて逃げた。


まって

まって 

まってーーーー



・・・別に、私はかわいそうな子ではなかった。
だけど、鬼ごっこの「鬼」をしたときだけ、なんだかものすごい疎外感を感じ、誰もが私を嫌っているような錯覚をした。

そして、不思議と帰り道には、友達とけんかになった。

「私のこと、悪口言ってたでしょう?」

「はぁ?言ってないよ?なんで?」


その気持ちに、子どもの頃は名前をつけられなかったけど、大人になった今なら分かる。
あれは、『被害妄想』というやつだったんだ。

家に帰ってから、私はかくれんぼで汚してしまったジャージの膝をみて、いつも後悔した。

――遊ばなければよかった。

そこから。