どうやら、コツがあるようで。
窓の外からパーツが見え始めた瞬間に腕を大きく窓の外に広げ、抱きかかえるようにしてつかまないと、枝にしっかりとくっついていて、取れないこともあった。

また、せっかく取れても、ひゅうっと風や雪に奪われるようにして、落としてしまうこともある。


しばらくパーツが流れて来ないときもあれば、4つくらいいっぺんに流れてくることもあった。


一生懸命集めていると、風の冷たさなんか気にならなくなった。
むしろ、少し汗ばんでくるぐらいだ。

ありがたいことに、バラバラのカラダそれぞれに、あまり重さはなかった。

どの部分であっても、1,5リットルのペットボトル1本分くらいの重さしかない。

だが、いくつもとなると、それなりにきつく感じた。


車内、誰もが無言。

しかしまた、ただ一人。
隣に座るワタシだけ、私の様子をみて呟く。

「これじゃ、帰れないかもしれない、ね・・・」

と。