私は、ワタシの吸う煙草の煙をちょっと迷惑に感じながら、顔をそらすように窓の外を眺めた。

外は、どこまでも続く雪原。

十勝平野は、本当に広い。
石狩平野より、建物が少ない分本当に地平線まで見えるほど、ずっと向こうの景色まで見えた。

真っ白いお豆腐の上を小さくなって走っているみたい。

なんて、ガキみたいに遠くまで目を凝らしては、一番遠くには何があるんだろうと次第に夢中になって真っ白な景色に見とれた。

・・・ってあれ、ちょっと待て?この吹雪なのに?


そう、吹雪なのに空には雲ひとつないのだ。


これだけ吹雪いていたら、かなり暗くなる。
それなのに、地平線を境にして青と白が二つにぱっくりと分かれ、太陽の光に照らされて吹雪がきらきらとくずダイヤのように窓にぶつかって散っては流れていく。

「なにこれ・・・」

独り言を呟いたのに、その声を聞いてたくさんのワタシはみな窓の外をみた。