「あっ…あのっ…!」
「なぁにー?」
「どこに…行くんですか?」
「あーそれは着いてからのお楽しみ。多分ね、すっげーサプライズなプレゼントだよ。」
「サプライズ…?」
「驚きすぎて腰抜かさないように気を付けてね?」
「へっ?」
「…ったくタツの考えることはバカ過ぎる。よく許可出たな。」
「まぁそれはひとえに俺の人望?みたいな。」
「はいはいそーですね。」

 …あっくんの棒読み、発動。

「ま、到着するまでは御堂の安全運転と俺のお喋りを楽しんでよ。」

 そう言ってにかっと笑う達也。隣には真面目な顔で運転するあっくん。あれ…でもあっくん…

「眼鏡…?」
「今日はコンタクトじゃねぇんだよ。」
「なんか新鮮…。」

 細い黒縁の眼鏡。初めて見る姿が嬉しくて、思わず顔がにやける。

「にやけんなチビ。」
「だって初めて見たんだもん!」
「うわー俺すっげーお邪魔虫じゃね?」
「そっ…そんなことないですよっ!」
「唯ちゃん、俺には敬語で御堂にはとれてるし。」
「あ…。」
「ま、いいんだけどねー♪」

 そう言って達也はまた笑った。