「唯ちゃん!」
「はいっ!」
「誕生日おめでとう。これでハタチかな?」
「はいっ!今日からハタチです!」
「じゃあお酒飲めるね。」
「いやあのあたしは…。」
「こいつに飲ませるとああなるって勉強しただろ、お前は。」
「あぁーお酒弱いんだよね?ビール半分で二日酔いだっけ?」
「はい…。」
「じゃあ甘いのはいけるんじゃない?チューハイとか。」
「…お前はしばらく黙っとけ。」
「そうはいかないよー♪今日の唯ちゃんすっごい可愛いし。あ、いつも可愛いけど今日は特に。」
「へっ?」

 素っ頓狂な声が出た。『可愛い』だなんて言われ慣れてない。顔が熱い。

「ねぇあっくん?そう思わない?」
「いつもと違う。それだけだ。」
「つまんなぁーい♪」
「気色悪い。お前の声。」
「うわっ!商売道具なのに!」

 余計に顔が熱い。あっくんに『可愛い』とかなんとか言われたら爆発するのは目に見えてる。だって『いつもと違う』って言葉だけで心臓はこんなにうるさい。