ラブ☆ヴォイス

 片付け終わってリビングに戻ると、あっくんはハニメロの漫画を読んでいた。結構読むのは遅いようだ。まだ5巻。この前は2巻だった。

「早いな。」
「慣れてるもん。」
「慣れてんのか?」
「両親共働きだから、家事はあたしの仕事なの。」
「ふーん。」

 …そっけない返事。

「で、お前の話聞いてやるよ。とりあえず話せ。」

 あっくんが漫画をパタンと閉じる。本当に真面目に聞いてくれるみたいだ。

「喧嘩した。…光…えっと、さっき会った人と。」
「喧嘩ってことはお前もあいつも悪いっつーことか?」
「…主に悪いのはあたし…かも。」
「なんで?」
「あたしが一方的に…キレてバイバイしちゃったから。」
「なんでキレた?珍しいんじゃねーか、お前がキレるなんて。」
「…だって…。」

 向こうが悪い。そう思ったら自分の方が悪いのかな。でも、悔しくて悲しかったんだもん。

「あっくんがあたしの好きな人…なのに…っ…。」

 声が震える。悔しい気持ち、悲しい気持ち、寂しい気持ち。色んな気持ちがごちゃ混ぜになって、唯の胸をきゅっと締めつける。