ラブ☆ヴォイス

「美味しかったか不味かったかはっきり言って下さい!」

 唯はぺこりと頭を下げた。あっくんの声で聞きたいんだもん。自分の料理を評価する言葉。

「…美味かった。」

 少しの間の後返ってきた言葉。ぶっきらぼうな言い方で、それはそれでいつも通りなのだけれど、でもそれでいい。それがいい。あっくんの『美味しかった』は特別だから。

「ありがとう、あっくん。それが聞きたかったの。」
「知ってる。だから言わなかったんだ。」
「えぇー意地悪!」
「…話聞かねぇぞ?」
「うわ!ごめんなさいっ!今すぐ片付けますっ!」
「そーしろ、チビ。」

 唯はテーブルの上の皿を片付けようと手を伸ばした。だが、唯の手が皿に届く前にあっくんの手が皿を片付ける。

「運ばないとは言ってねぇよ。洗うとこだけやれ。」
「運んでくれるの?」
「メシ食わしてもらって食器運ばねぇとか邪道にも程があんだろ。」

 それだけ言うと、あっくんは皿を流しまで運んだ。