ラブ☆ヴォイス

「…唯?」
「え…?」

 声を掛けられて振り返った先には…

「…光?」

 さっきもめたばかりであるため、少し顔を合わせるのが気まずい。

「なに、知り合い?」

 そう言ってあっくんが振り返る。

「御堂…明博…?なんでここに…?」
「お前以外にもいるのかよ…俺の顔分かる奴。すげーなこの街。」
「唯、どういうことだよ。」
「えっと…。」

 こういう時、どうすればいいんだろう?あっくんが隣にいる手前、もう嘘とか適当なこと言えないけれど。それでも正直にベラベラ喋るのもなんだか気が引ける。

「なぁ、こいつの彼氏なわけ、君?」
「かっ…彼氏じゃないよ光は!」
「お前に訊いてない。こいつに訊いてんの。」
「彼氏じゃない。」

 光がすっと答える。

「じゃあさ、俺とこいつがどういう関係か口出す権利なくない?まぁ別に君が思ってるような関係じゃねーけど。」

 あっくんがばっさりと切り捨てた。