ラブ☆ヴォイス

「お前にしちゃ偉い。」
「へ?」
「もっとヘラヘラ言いふらすかと思ってた。」
「ヘラヘラって!そんなことしないよ!だってあっくん、声優さんだけどそれ以外は普通の人だもん。」

 あっくんがあからさまに驚いた顔をした。これはどういう意味に捉えればいいのだろう?

「ねぇ頭でもそんだけ分かってりゃ上出来だな。」
「あっくんは一言余計だよっ!」
「交換条件で話聞いてやる。」
「え?」
「メシ作れ。旨かったら話聞く。まずかったら慰謝料払って帰れ。」
「いっ…いいの?」
「何が?」
「あっくんのお家に入っても。」
「暴れないならな。あと、酒も飲むな。」
「話…聞いてくれるの?」
「お前な…自分に都合悪いところすっ飛ばして聞くクセなんとかしろよ。俺はお前の作ったメシが旨かったらって条件出したけど?」
「え、だってご飯くらいなら作れるし…。」
「言ったな…まずいもん出したらしめ出すからな。」
「はーいっ!」

 基本は意地悪なのだけれど、こういう時に優しい。そんなあっくんだから、ますます好きになる。