ラブ☆ヴォイス

「あ、でもっ!あたしは先生役があっくんで安心したよ?」
「はいはい適当なフォローをどうもありがとう。」

 超棒読みなんですけど!

「だってあっくんの声って時々すっごく甘いもん!」
「はい?」

 今度は一気に怪訝そうな顔へと変わった。

「先生、結構甘いセリフが多いから、きっと低くて甘い声なんだろうなぁとか思ってて。そしたらアニメ化で声優さんがあっくんとか…。あたしはホントにピッタリって思ったよ!ってか多分あたしだけじゃなくてファンはみんな…。」
「そーだといいけどな。ま、やってみねぇと反応は分かんねぇし。」
「…怖かったり…するの?」
「怖くはねぇよ。つーかお前に余計な心配されるほど、俺は落ちぶれてねぇ。」
「落ちぶれ…っ…!って心配するのはあたしの勝手じゃん!」

 そこまで言い切ると、不意にあっくんが少しだけ笑顔になった。笑顔の意味が分からなくて、唯の表情は色々と混ざる。

「…その方がいい。」
「へ?」

 何の事だか分からず、唯は首を傾げた。

「変に敬語にすんな。気持ち悪いから。」