ラブ☆ヴォイス

「ユイちゃん、お願い聞いてもらえないかな?呼び捨てで呼んでってのとタメ口!」
「…うーん…。なんかあたし、逆にあっくんにも敬語で話した方がいいんじゃないかって思ってきたくらいなんですけど…。」
「両方敬語ならそれでもいいよ。でも俺だけ敬語なのはちょっと寂しい。」
「じゃっ…じゃあ!両方敬語ってことでお願いします!」
「分かった。でさ、せめて下の名前で呼んでくれない?」
「え?」
「空野さんはやめってことでよろしく。」
「じゃああの…達也さん…でいいですか?」
「うん。それ、すっげー嬉しい。」

 ニカッと太陽みたいな明るい笑顔で達也がそう言った。

「御堂が飲むなら俺も飲もーっと。ユイちゃんも飲む?」
「えっと…あたしはまだ19なんで…。」
「え?そうなの?」
「今年大学2年で、誕生日まだなんでお酒は…。」
「あ、そうなんだー。でもちょっとくらい大丈夫だよ。ビールしかないけど、少し飲んでみれば?俺のあげるよ。」
「…ビールってアルコール強くないですか?」
「んー…そんなにアルコール度数強くないと思うけど。コップに少し注いでおくね?」
「あ、はいっ!洗い物終わったらリビングいきます。」
「うん、待ってるね。」

 …ずるい、達也さん。『待ってるね』だけいい声で言うなんて。