ラブ☆ヴォイス

 お鍋の雑炊が空になって、唯が洗い物をしている時に不意に空野がキッチンにやってきた。

「こんな遅い時間まで起きてて平気?」
「あ…えっと、なんかもう楽しくて全然眠くないです!」
「大学は大丈夫?」
「多分…このテンションでいけちゃうと思います。」
「ていうか洗い物とかそのままでいいよ?どうせ御堂やるし。」
「いえいえ。お二人ともお仕事で疲れてらっしゃるでしょうから。こんなことくらいしかお手伝いできることないし…大丈夫です。」
「ねぇ、ユイちゃん?」
「なっ…なんでしょう?」

 空野の声がいきなり変わった。普通の声でもかっこいいけど、なんていうかお仕事モードな声に。(つまりは死ぬほどかっこいいイケメンボイスに!)

「1個だけ不満、言ってもいい?」
「不満…ですか?」

 『不満』という一言に不安がよぎる。やはり美味しくなかったのだろうか。

「ご飯のことじゃないよ?」
「え…?じゃあ他に何が…。」
「俺にも普通に喋ってよ。」
「え?」

 空野の言葉の意図が読み取れず、唯は首を傾げた。