ラブ☆ヴォイス

「んじゃ、いっただっきまーす！」
「どうぞ。」
「…タツの反応見てから食う。」
「ひっどーい！味見はちゃんとしたもん！」
「んっ…うまっ！ユイちゃん、すっごく美味しいよ！」
「あ、ホントですか？お口にあったみたいで良かったです。」
「ほらほら～あっくんも食べて食べて！」

　あっくんがレンゲをその口に持っていく。表情は変わらない。

「…ど…どう…でしょうか…？」

　あっくんに敬語なんて使わないのに(よく考えてみればすっごく失礼だ)緊張して敬語になってしまう。あっくんはよく噛んでから飲み込んだ。そして口を開く。

「…普通に旨い。意外性ってやつか？」
「意外性？」
「見た目料理とか出来なさそうだもんなお前。」
「はっ…はぁ～？」
「御堂、一言余計だっつーのマジで。」
「そうだよ！普通に美味しいって」

　美味しかったんならもっと美味しそうな顔で食べてくれたっていいのに、と少し思ってしまうのは、自分が欲張りになりすぎている証なのかもしれない。そんなことを思いながら、それでもあっくんが食べてくれることに喜びを感じてしまう。