ラブ☆ヴォイス

「調味料とか鍋とかどこ？」
「お前はうるさいから座ってろ。俺が指示する。」
「りょうかーい！」

　ニコニコ…もしくはニヤニヤ笑いを浮かべて空野がリビングに行ってしまった。残されたのはあっくんと唯だけだ。

「食えるもの作れるんだろうな？」
「料理は得意ですーっ！」
「あんま期待しないで待っておく。鍋はその下から好きなの取って使え。調味料系は冷蔵庫から適当に探せ。」
「…はぁい。」
「くれぐれも怪我すんじゃねぇぞ？」
「はーい！」
「…何ニヤニヤしてんだよ？」
「だってあっくんがあたしの心配してくれたから。」

　怪我するなって言葉は、唯にとっては充分に優しい言葉だ。

「心配じゃねぇよ！いいから早く作れ！」
「はぁーいっ♪」

　それだけ言うとあっくんはリビングに戻ってしまった。
　唯はというと、まずは冷蔵庫の中を確認して、粉末のだしを発見する。あとはお塩とかで適当に味を作ることのする。とにかく、あっくんと空野をがっかりさせないように。少し緊張はするけれど、それよりもただあっくんに美味しいものを食べてもらいたい。そんな気持ちが強くなって、唯はただただ必死だった。