ラブ☆ヴォイス

 あっくんの部屋は唯の家と間取りが変わらず、置いてある家具が違うだけだった。部屋は全く汚くないし、物も少ない。大きな液晶テレビとブルーレイ対応のレコーダー。そしてステレオセットがリビングにどかんと置いてある。テレビの前に置かれた黒のソファーにあっくんが座り込む。

「つーか腹減ったぁー…。何かない?」
「お前は本当に図々しいよな。毎回その神経、本気で疑うわ。」
「何か…作りましょうか?」
「え?」
「えっと…材料があれば…ですけど。」
「あっくーん。何入ってるー?」
「勝手に見ろよ。」
「ユイちゃん、こっちこっちー!」
「あ、はいっ!」

空野に手招きされて、唯は冷蔵庫の方に近付いた。キッチンもすごく綺麗である。

「見事にすっからかんな冷蔵庫なんだけど…。何か使えそうなものはある?」
「ご飯…と卵…だと卵雑炊とかならすぐできますけど…。」
「おぉーなんか胃に優しそうなメニューだね!それでお願い。」
「はいっ!分かりました。あの…お鍋と調味料はどこに…?」
「あっくーん!ちょっとこっち来て。」
「んだよ…。」