* * *


朝の光で目を覚ますと隣にはあっくんがいた。
…服は、着ていない。あっくんも、あたしも。


「っ…思い出したら恥ずかしくなってきた…。」


そう口にすればまた恥ずかしさがあたしを襲う。腰のあたりが鈍く痛む。…こんなの、生まれて初めてだ。


「うぅ…。地味に…痛い…。」


あっくんといえば、すーすーと寝息を立てて眠っている。寝ている時だけはちょっとだけ子どもっぽく見えるから実は結構好き。あんまり寝顔を見ることができないから貴重でもあるし。


「…あっくん…。」


あっくんの方に身体の向きを変えて、ぽつりと名前を呟いた。


「…んー…何?」

「え…?」


ゆっくりと開いたあっくんの瞼。その瞳に映る自分が見えるほどに近い距離に思わず身体を離そうとすると、いつの間にか背に回っていたあっくんの手にそれを阻まれた。


「何で離れようとすんだよ。離さねーっつの。」

「っ…ふ、服着ようと思って!」

「あ?まだいいだろ。寒いのか?」

「さ、寒くはないけどっ…。」

「じゃあいいだろ、このままで。」

「よくないよっ!ドキドキしすぎて息できない!」

「呼吸止まったら人工呼吸してやるよ。」

「~っ…!そういうことじゃないもん!」

「…顔、赤すぎ。」


どこまでも甘い声でそう囁いて、あっくんの唇があたしの唇に優しく重なった。