ラブ☆ヴォイス

「俺がお前を嫌いになんねーように、お前も俺を拒むはずなかった。
…何ビビってんだよな、俺。らしくねー。」

「ビビる…?あっくんが?」

「あーまぁ、ビビってたんだと思う。多分。」


ストンと下ろされた先はあっくんのベッドの上。
前にもここに寝たことはあるのに、心拍数が全然違う。…今の方が比べ物にならないくらいうるさく鼓動する。


「あ…っくん…。」


真っすぐすぎる鋭い視線があたしを突き刺す。だからあたしは動けない。
あっくんがじりじりとまた距離を詰めてきた。


「…分かんないから怖いっつーのは…しゃーない。
だから怖いことじゃないって俺が教える。」

「い、今…?」

「今。」

「ちょっとまっ…。」

「待たない。」


『待てない』って言ってるようにも聞こえるあっくんの声、それに表情。
それを向けられたあたしは、…やっぱりどこにも逃げられない。


「唯。」

「…5秒待って。1回だけ深呼吸させて。」

「それは待つ。」

「ありがと。…すーっ…はぁ…。」


大きく息を吐いた。…う、やっぱり怖い。全然落ち着かないよ…5秒じゃなくて10秒にすれば良かった…。


「…目、泳いでるんだけど。」

「や、やっぱ無理…かも…。」

「俺も無理。」

「なんでぇ?」

「なんでって…欲しいからに決まってんだろ。お前は欲しくねーのか!」

「へっ!?」


…欲しい?あ、あっくんを?…そ、そんなの…。