ラブ☆ヴォイス

「…なるほどな。とりあえず半分は良かった。半分に大問題あるけど。」

「良かった…?」

「お前に本気で怖がられてたら結構普通にショックだったから。」

「あっくんは怖くないよ!…やさ、しいし…。」

「そこ、なんで小声になるんだよ。」

「や、優しいですあっくんは!」

「最初からそう言え。」

「…ど、どうしたらいいかな、あ、あたし…。
あっくんのことはちゃんと好きなの。大好きなの。だから、あっくんにぎゅってされると嬉しいし、あっくんがあたしを望んでくれてることも嬉しいの。でも、…怖いの。あっくんが優しく触れてくれる度に嬉しくて死んじゃいそうになるんだけど、でも…。」

「じゃあ、ゆっくり慣れてくしかねーんじゃね?」

「え…?」


あっくんの両手が両頬に添えられる。額がゆっくり重なる。
当たり前みたいに視線が重なって、吐息がぶつかる。


そしてゆっくりと唇が重なった。一度離れて、すぐにまた重なる。
甘くてとろけそうな粘着音があたしの耳を刺激する。


唇がようやく離れて、あっくんとまた視線が重なる。


「嫌?」


あたしは首を横に振った。


「嫌じゃ…ない、よ。」

「あーだめ。そういう言い方はまじで良くないぞお前。今でも結構加減したんだからな。」

「えっ?な、何がだめ?」

「…可愛すぎる。」


『そんなことない』と言おうとした言葉はあっくんの唇に飲み込まれる。
さっきよりも少しだけ長い時間唇が交わって、また離れる。


「…このままゆっくりなら、怖くないんじゃね?」

「こ、怖いよ…。」

「じゃー俺をひとまず信じろ。」

「え?」

「…俺はお前の嫌がることは絶対しない。
そんなの、一番お前が分かってんだろ?」


…分かって、る、けど…。