ラブ☆ヴォイス

* * *


少し経って落ち着いてきた頃、あっくんがあたしの頭をポンポンと軽く叩きながら口を開いた。


「とりあえず涙止まったな。」

「…ごめんなさい。」

「だから、謝ってほしいわけじゃねーっつの。」

「…だってそれしか今出てこないんだもん。」

「それしか出てこないなら言うな。ごめんなさい禁止。」

「…わ、分かった。」


あたしがそう言うと、あっくんがふぅと大きな溜め息をついた。


「あっくん…?」

「大体な、泣きたいのは俺なんだよ。何が悲しくて好きな女に何度も拒絶されなくちゃなんねぇの?抱きしめるのはまぁいいとして、それ以外で触ると拒絶って何?お前、俺のこと嫌いなのか?」

「きっ…嫌いなわけないじゃん!好きだよ!大好きだよ!」

「じゃーなんでだめなんだよ!」

「っ…だ、だって、怖いんだもん!」

「はぁ?やっぱり怖いんじゃねーか!」

「違うよ!あっくんが怖いんじゃなくて、その…えっと…ち、違うんだよ…。」

「…俺が怖いんじゃなくて、なに?」

「…分かんないから怖い。…は、初めてだから。」


分かんない。だから怖い。
あっくんが怖いんじゃない。あっくんのことは大好きだもん。


そんな想いを指先にこめて、あっくんの服の裾を掴んだ。