「…あったかい…。」

 俺の腕に抱かれながら、唯がぽつりと言葉を漏らした。寝ているくせににっこりと満足そうに微笑み、もっと俺の方に身体を寄せて来た。

「っ…!お前…。」

 元々額を重ねていたのに余計顔を近付けてきたため、唯の唇が俺の方へと迫って来た。少しでも動いたら、触れる。確実に。

「…俺がそれなりに理性のあるやつで良かったな。」

 それと、寝込み襲う趣味のないやつで。これは心の中でつけ足しておく。

「ま、でもこれくらいは許されんだろ。」

 ボタンの上2つは外して寝る唯。今は寝相の悪さのせいでそのパジャマの3つめのボタンまで外れている。そこからのぞく胸元にそっと唇を寄せ、少しだけ強く吸う。小さく残る痕は所有の印。それと無防備だからこその罰。

「おやすみ、唯。」

 俺はその小さくて柔らかな身体を抱きしめ、瞳を閉じた。

*fin*