ラブ☆ヴォイス

「おい。」
「なぁに?」
「チョコ返せ。」
「えーっ!?やだやだ!」
「いいから。ちゃんと返すからとりあえず一旦寄越せ。」

 納得は全くいかないけれど、返すって言ってくれたあっくんの言葉を信じることにする。素直にあっくんに従ってチョコを渡す。

「よし。じゃあ俺の名前呼んでみろ。」
「あっくん。」
「もっとでけぇ声で。」
「あっ…んぐっ!」

 唇にほんの少しだけあっくんの指が触れたような気がする。と思っていたら、すぐに口の中に広がるあの甘さ。
 口の中に放り込まれたのは、紛れもなくチョコレート。

「んー…!ちょっほぉ!あっくん!」
「食べ終わってから話せよ。汚ねぇ女だな。」
「んー!」

 さすがに汚い女なんてこれ以上言われたくなくて、チョコレートを食べ終えてから口を開いた。