「妄想は全部現実にしてやる。…メシ食ったらな。まぁ俺は、先にお前食ってもいいけど…。」
「なっ…!あたしは食べれませんっ!ていうかご飯!ごはん作ろうホントに本気でっ!」
「…真っ赤な顔してそこそこな妄想してたくせに…ヘンなとこ真面目っつーか…。」
「も…妄想なんてしてないってば!」
「はいはい。じゃーそういうことにしといてやるよ。つーか…恐れ多いって…お前のボキャブラリー、面白いよな。」
「そんなことないもんっ!ていうか何食べたいのってば!」
「そうだな…うどん?」
「うどん?そんなの一人で全然大丈夫だよ!」
「具沢山がいいんだけど。味噌煮込みうどんとか作れねぇ?」
「できるけど、あっくん…味噌煮込みうどんが好きなの?」
「まぁな。野菜なら結構ある。」
「あ、そうなの?じゃあ色々入れようよー!大根でしょ、あとはネギに…油揚げ?あとお肉もかなぁ?あとは…。」

 冷蔵庫の中を見て、たくさんの食材を見て、ついつい色々と手にとってしまう唯の隣で、あっくんがぷっと吹き出す。

「え…?」
「百面相。面白すぎる…ホントお前飽きねぇよ。」

 それからあっくんは唯から野菜を受け取り、手際良く切り始めた。