ラブ☆ヴォイス

 慣れない距離、新しい…距離。嬉しくて嬉しくて、心臓はドキドキしっぱなしで。あっくんの優しい表情に、胸が高鳴る。―――それこそ、直視できないほどに。

「…ん?なんだ?」
「え…?」
「俺の顔、なんかついてんのか?穴が開きそうなんだけど。」
「あっ…穴?」
「穴が開くほど見つめてんだろ、お前。早く指示出せよ。」
「みっ…見つめてなんか…!」
「…あっそ。ていうか…。」

 あっくんがくいっと顎を持ち上げる。うー!だからっ…!そんなかっこいい顔で見つめられるとドキドキして包丁とか握れそうにないんだってば…!

「あとで死ぬほど抱きしめてやるから、今はそういう顔すんな。」
「へ…?」

 顎にかけられた手が離されることもなく、あっくんはそのまま言葉を紡ぐ。

「メシじゃなく、お前を食いたくなるから。」
「ひゃあ!そんなっ!恐れ多いっ!ごっ…ご飯作ろう!あっくん何食べたいっ!?」
「…おいおい、慌てすぎだろ。つーかどんな妄想してんだよ?」

 あっくんがにやりと笑う。…べっ…別に妄想とかしてない…もんっ…。