ラブ☆ヴォイス

「やっと…だよ…お前にやっと触れる。」
「あっくん…?」

 ぎゅっと背中に回った手がいつもより全然強くて、心臓がはちきれそう。

「……。」

 返事は、ない。だからそっと、唯もあっくんの大きな背中に手を回した。あっくんには負けちゃうけれど、でも強く、力を込めて。

「ねぇ…あっくん…?」
「…お前不足。だから今補給。」
「へ?」
「…でも、いつまでもこうしてるわけにいかねぇな。」

 そう言って、パッと腕を離す。そして唯の顔を覗き込む。

「顔、赤い。」

 あっくんの細くて白い指が唯の頬をツンとつつく。

「…なぁ。」

 指先が唇へと移動した。優しく触れられるその感触に、背中がぞくぞくする。

「キス…していい?」
「え…?」
「とか言って、許可貰う前にするけど。ちょっと長いけど頑張れよ。」

 あっくんが一瞬、ニッと笑って、そのままゆっくりと唇が重なった。