「え…?」
「苦しくねぇなら苦しくなるくらいにしとこうかなって。」
「なっ…は、早く話して!」
「…わーってるって。祥と付き合い始めた頃は、まだ俺も仕事が今みたいに忙しくはなくて…。だから二人で会う時間とか、ちゃんと取れてた。仕事場でも顔合わせたし。…でも、俺が少し売れ始めてから、ズレが生まれてきた。丁度その頃そのラジオも終わって、仕事場っていう接点もなくなった。」
「…それで?」
先を聞くのはどこか怖い気がする。でも、聞かなくては自分もあっくんも前には進めない。
「それでも、祥は泣きごとなんて何一つ言わなかったんだよ。会いたいとか、寂しいとか…そういうことは何一つ。…俺も若かったから、言われなきゃ大丈夫だろとか…タカ括ってた。仕事が忙しくなったのが、正直言えば嬉しかったしな。色んなところで俺が出てるアニメとか、映画とかを目にするのが本当に単純に嬉しかったし、それを祥も同じように喜んでくれてた。…少なくとも、最初の頃は。」
「…どういう…こと…?」
あっくんの声が少しだけ悲しいものに変わった。
「…今思えば、なんで気付かなかったんだろうって本気で疑問だよ。」
「…?」
「仕事で忙しいって言って、大丈夫って返ってくるその言葉を鵜呑みにできた自分を疑いたい。…大丈夫なわけないのに。」
苦しそうにトーンが落ちたあっくんの声で、次の展開が予想できる。萱原と一緒にいた祥を思い浮かべる。…彼女はそんなに強そうには見えなかった。
「祥が強くないなんてこと、分かってた。それなのに、祥の言葉に甘えたんだ。いつしか…俺の作品に目を通さなくなって、そういう会話もなくなってた。それはシグナルだったんだよ。なのに俺は、気がつかなかった。気付いた時には…祥は別の心の拠り所を見つけていたんだ。」
「苦しくねぇなら苦しくなるくらいにしとこうかなって。」
「なっ…は、早く話して!」
「…わーってるって。祥と付き合い始めた頃は、まだ俺も仕事が今みたいに忙しくはなくて…。だから二人で会う時間とか、ちゃんと取れてた。仕事場でも顔合わせたし。…でも、俺が少し売れ始めてから、ズレが生まれてきた。丁度その頃そのラジオも終わって、仕事場っていう接点もなくなった。」
「…それで?」
先を聞くのはどこか怖い気がする。でも、聞かなくては自分もあっくんも前には進めない。
「それでも、祥は泣きごとなんて何一つ言わなかったんだよ。会いたいとか、寂しいとか…そういうことは何一つ。…俺も若かったから、言われなきゃ大丈夫だろとか…タカ括ってた。仕事が忙しくなったのが、正直言えば嬉しかったしな。色んなところで俺が出てるアニメとか、映画とかを目にするのが本当に単純に嬉しかったし、それを祥も同じように喜んでくれてた。…少なくとも、最初の頃は。」
「…どういう…こと…?」
あっくんの声が少しだけ悲しいものに変わった。
「…今思えば、なんで気付かなかったんだろうって本気で疑問だよ。」
「…?」
「仕事で忙しいって言って、大丈夫って返ってくるその言葉を鵜呑みにできた自分を疑いたい。…大丈夫なわけないのに。」
苦しそうにトーンが落ちたあっくんの声で、次の展開が予想できる。萱原と一緒にいた祥を思い浮かべる。…彼女はそんなに強そうには見えなかった。
「祥が強くないなんてこと、分かってた。それなのに、祥の言葉に甘えたんだ。いつしか…俺の作品に目を通さなくなって、そういう会話もなくなってた。それはシグナルだったんだよ。なのに俺は、気がつかなかった。気付いた時には…祥は別の心の拠り所を見つけていたんだ。」



