ラブ☆ヴォイス

 パッと身体が離れて、不機嫌そうな顔であっくんがあたしを見つめる。

「…嫌なのかよ?」
「そっ…そうじゃなくてっ…!っていうか嬉しいに決まってるじゃん!大好きなあっくんにぎゅーってされて嬉しくないわけないっ…!だ…だけどっ…。」
「だけど…何?」
「…ドキドキ…するのっ…。」
「それが?」
「だからっ…ドキドキしちゃって冷静に聞けるか自信なくてっ…。」
「じゃーそっぽ向いて話すか?」
「え…それは嫌っ…。」
「…ったく、仕方ねぇな。」

 そう言って、あっくんがソファーから離れ、フローリングの上に体育座りで座る。そしてその足を横に開いた。その足の間を指差しながら、唯を見る。

「ここ、来い。」
「え?」
「俺に背を向けて座れ。」
「…こ…こう?」

 唯はあっくんの言葉に素直に従った。