「え…？」
「お前に話すこと、もうない。」
「あっくん…？」

　唯が今まで聞いた中で一番冷たい声に身体が竦む。

「御堂…お前何言って…。」
「お前にはあいつがいいよ。あいつならお前と上手くやっていける。」
「あっくん何を…。」
「御堂！」
「…悪い。俺帰るわ。」
「はぁ!?だって来たばっかじゃねぇか！」
「…いたくねぇんだよ、ここに。」
「いきなりお前…！」

　あっくんが荷物を持って、唯と達也に背を向ける。テーブルの上にキーが置かれた。

「車のキーだけ置いておけば問題ねぇよな？」
「御堂！」

　達也があっくんの服の襟首を掴む。

「お前ホントに何言ってんの？つーか何があったんだよ？」
「離せよ、タツ。」

　あっくんの声が冷たくて、耳を塞ぎたくなる。眼差しも冷たくて鋭い。達也の身体を強く押して、あっくんの襟首が解放される。

「…んじゃ。」
「待って！」