「旅行。」
「え…?」
「旅行の時に話す。そん時までに、ちゃんと俺の中で処理しとくから。だからお前も自分のこと責めんの、今日で止めろ。」
「…あたし、聞いてもいいの?あっくんの話。」
「その時まで待てよ、っていう条件付きだけどな。」
「あたしでいいの?話聞くの。」
「ああ。だから止めろよ、泣くのもお前が悪い思考のループも。」
「止めるよっ!絶対止める!」
「…最初っから素直に言えよなバーカ。」
「でっ…でも!あっくんだって訊かないでくれてありがとうって…!」
「確かにあの時はすげーてんぱってたからそう言ったけど、冷静になって考えてみればお前が背伸びしてることくらい気付くっつの。まぁ、背伸びさせた俺にも非があるからこれ以上は何も言わねぇよ。」
「…おあいこ?」
「どっちかっつーと俺の負け、かもな。」
「えぇ?そうかなぁ…だってあたし、萱原さんにコーヒーかけちゃったんだよ?」
「ま、それも相当だけどな。でも俺的には実害ねぇし。」
「そうだけど…。」
「それより腹減った。なんか作れ。」
「えぇ?こんな時間に?」

 まだお昼の3時だ。ご飯を食べるような時間ではない。

「仕事終わって帰ってきたの2時なんだよ。で、昼メシ食ってねぇからもう限界。適当に食材使え。急いで作れよ?」
「えぇー?」

 唯はあっくんの家のキッチンに駆け込んだ。