「…元気じゃねーか。んじゃ、ちゃんと寝てろよ。」
「え…でも…片付けやってないし…それに…。」
「帰っても一人なんだったら、こっちいた方が楽しいだろ?片付けくらいはやっとくから気にすんな。お前は黙って寝とけ。」
「…あっくんが優しい…。」
「はぁ?」

 一気に不機嫌そうな声に変わって、唯はタオルケットで顔を隠す。

「だっ…だって…支えてくれたり、あたしのこと、ちゃんと見ててくれたり…。」
「別にお前のことちゃんと見てなんかねぇよ。二日酔い予備軍は黙って寝てろ。」
「…ありがと…。」
「は?」
「ありがとう、あっくん。」
「何が?」
「…あっくんのお家にいると安心するから。こうしていさせてくれて、ありがとう。」
「あっそ。」
「あとね、片付けもやってくれてありがとう。」
「まだやってねぇよ。」
「でも、やってくれるの嬉しいもん。だからね、ありがとう。」
「…『ありがとう』の大安売りすんなよ。」
「…じゃあ、大好き!」
「…寝ろ。」

 バタンとドアが閉まった。唯はゆっくりと瞼を閉じた。