ラブ☆ヴォイス

* * *

「ったく…御堂はホーントに俺に関しては危機感ないよな…。俺も男で唯ちゃん女なんだけど。」

 寝ている女の子を襲う趣味は自分にはないから何もしないけれど。でも御堂は少しこの辺を反省すべきだと心から思う。自分だから平和にことが済むけど、他の男ならどうなるか分からないぞ?

「俺の勘だと…絶対盗られてから後悔するタイプだよねー御堂って。」

 あまり過去に縛られ過ぎると、〝今〟大事なものを取りこぼしてしまう。特に唯みたいな女の子は、ふわふわしててあっという間に飛んで行っちゃうだろうから。

「あの女と唯ちゃんは似ても似つかないよ。…それこそ唯ちゃんに失礼だっつの。」

 彼女はあの女とは全然違う。だから、もう一度御堂が恋をするなら彼女にがいい。―――御堂の親友として。

「唯ちゃんなら大丈夫だから。…もしかしたら、唯ちゃんを傷付けること、御堂が言っちゃうかもしんないけど…。それでも諦めないで。想うことも、大切にすることも。」

 唯ちゃん。君のその無垢な想いは絶対に届くから。届いた先で、御堂を笑顔にしてくれるから。過去を過去にするには、今を生きるしかないから。
 だから、どうか諦めないで。想い続けて。伝え続けて。止めどなく溢れるその気持ちを、ただ真っすぐに。